台湾が描く、使い捨てプラスチックのない未来
~アジアの環境大国を探る

欧州の環境大国ドイツ。前回までのコラムでは、ドイツのリサイクル事情について全3回にわたってお届けしました。
今回はところ変わって、アジアの環境大国についてコラムをしたためたいと思います。

驚異のリサイクル率! 世界が注目するサステナブルな取り組み

「サーキュラーエコノミー」という概念はEUの政策から世界的に広まったということもあり、リサイクルや環境というテーマでは欧州がその主役として取り上げられることが多いように感じます。

しかし、このアジアにも環境大国と呼べる国があります。
そう、台湾です。

近年、台湾では急速に環境への取り組みが進んでいます。
例えば、台湾における2019年〜2020年の資源リサイクル率を見てみると、一般廃棄物で61%、産業廃棄物ではなんと80%以上という驚異の資源生産性を誇っているのです。

特に廃プラスチック削減への取り組みは非常に先進的かつ厳格で、2025年には台湾国内のすべての店舗でビニール袋や
プラストロー、使い捨てプラカップの無償提供ができなくなり、2030年にはあらゆる使い捨てプラスチック製品の製造・輸入・販売が禁じられます

言い換えれば、2030年には台湾から使い捨てプラスチックが消えるということです。かなり思いきった取り組みのようにも感じますが、台湾の資源循環に対する熱意と危機感を窺い知ることができる方針だと思います。

環境機械がずらり!活気あふれる展示会

今回、私は台湾最大のプラスチック産業の見本市であるTaipei PLASを訪ねました。

規模でいえば日本の展示会と同じか少し小さいと感じる内容でしたが、驚かされたのは環境機械関連の展示ブースの多さです。

日本でも環境や資源をテーマにした展示会は数多くありますが、実際にリサイクル工程を担う機械とそのメーカーがこれほど軒を連ねる展示会は日本にはないのではないでしょうか。

先に述べた先進的な環境政策と共に、民間においても環境産業が成熟しつつあるということを実感しました。

最後に

世界の国々のリサイクル事情についてお届けするコラムもこれで2カ国目になりました。

今年も残り少なくなってきましたが、楽しみなことにもう1カ国訪問予定があります。
現地で見聞きした情報や実際に肌で感じた印象など、これからもこうしてコラムにしていきたいと思っております。

次回からもどうぞお楽しみに!