プラスチックのリサイクル方法3つを解説

現在、日本では年間850万トンの廃プラスチックが排出されており、その内、有効利用率は85%と言われております。利用方法は大きく3つに分ける事ができます。

サーマルリサイクルについて

1つめは『サーマルリサイクル』という方法で有効利用されており、約60%がこちらに該当します。

『サーマルリサイクル』とは、廃プラスチックを燃料として利用する方法であり、プラスチックの原材料は石油ですので基本的にはよく燃えます(紙ごみと比べて約2.5倍の熱量有り)。

また、廃プラスチックを焼却した際の熱を、発電や温水作りへ利用する事もあります。

マテリアルリサイクルについて

2つめは『マテリアルリサイクル』という方法で再利用されており、約22%が該当します。

『マテリアルリサイクル』とは、廃プラスチックを物理的に粉砕・融解して、もう一度プラスチック製品へ再生するリサイクル方法です。

限りある資源である石油の消費を抑えることができる他、二酸化炭素排出などの環境負荷が少ない方法となります。リサイクル後はベンチやパレット、衣服など幅広い製品に再利用されております。

ケミカルリサイクルについて

そして3つめは『ケミカルリサイクル』という方法で再利用されており、約3%が該当します。

『ケミカルリサイクル』とは、廃プラスチックを化学的な処理によって分子レベルまで分解するリサイクル方法です。

一酸化炭素や水素ガスの作成や、製鉄高炉の燃料や還元剤として利用されるなど、工業用途で使用される事が多いです。

サーマルリサイクルは『リサイクル』ではない?

さて、冒頭にリサイクル率でなく“有効利用率”と書きましたが、それは日本で60%を占める『サーマルリサイクル』は世界からはリサイクルの一種として認められていないからです。

廃プラを燃焼させているだけであり、新たな製品の原料として利用している訳ではないというのがその理由です。

最後に

今後、『サーマルリサイクル』から『マテリアルリサイクル』への移行が、世界基準でのリサイクルへ取り組みとなり、また限りある化石資源の消費を抑えることへと繋がります。

日本シームは環境機械メーカーとして、『マテリアルリサイクル』を行う上での課題とされる廃プラスチックの選別や分離、洗浄が行える装置の開発を継続し、これからも循環型社会の実現を目指して参ります。